ヒデクラの英語体験ドキュメンタリーシリーズ[番外編]
[前置き]
物語風『波乱万丈の留学体験記』は、勉強面を主体とした硬い話が中心で
したが、それでは書き尽くせなかった裏話を生活面や学外の話も含めて、
『留学成功の秘訣』として毎回テーマを掲げて、一話完結方式でエッセイ風
に書き綴って行きます。
これから留学を予定されている方はもちろんのこと、海外で生活しようと
計画されている方にも、御参考になれば幸いです。
[第1話:海外に行って最初になすべきことは?]
『波乱万丈の留学体験記』の最初のほうでも書いたと思いますが、私がま ず最初に行なったのは、銀行口座の開設です。日本でも新らしいところに引 越したときには、近くの銀行に口座を開くと思いますが、米国の場合、防犯 上の考慮からか現金を余り持ち歩きません。そのかわり、小切手(Personal Check:個人小切手)が良く使われ、その為にも銀行に口座を開くことが必要 になります。(この小切手で殆どの支払いを済ますことができ、大変便利で す。もちろん、使う際には若干の注意が必要ですが、コレはまた別の機会に でもお話します。)
ここで口座開設の際に、注意すべき点が何点かあります。
1.米国では、Social Security Number(略してSSN、国民総背番号制:税
金識別番号のようなもので、米国で働いている人は必ず持っています)
があり、銀行の口座開設の際はこれが必要になります。それでは学生は
どうなるの?と、素朴な疑問が湧きますが、学生にも同様の9桁の番号
が学生番号として日本人にも与えられ、これがその代わりとなります。
(後に、私が出向で米国の関連会社で働いていた時には、本当のSSN
を申請し、SSNが書かれたIDカードのようなものを発行して貰いま
した。私の妻は私に付随して発行されたビザであり、米国では働けませ
んので、妻のIDカードには、”NOT VALID
FOR WORK"と、カード上に
追記されていました。余談ですが。)
このSSN(日本人留学生の場合には、学生ID)は、口座開設だけ
でなく、今後色々なところで出てくるので、すぐに言えるように覚えて
おく必要があります。因みに、私の場合、学生のときは、888-XX-XXXX
のような番号がはいった学生証を、働いているときは、正式の609-YY-
YYYYのような番号の入ったIDカードを貰いました。
(米国では働いている人は全て自分で確定申告をしますが、このときに
銀行預金の利息に対しても税金を払わなければならず、このための明細
が、このSSNをもとに銀行から申告時期には送られてきました!−−
その当時の米国は預金金利がかなり高く、利子もかなりありました。
2.いくらかのお金をデポジットとして入れて口座を開くと、自分の名前や 住所を手書きで書くとすぐ使えるテンポラリの小切手帳が貰えますが、 正式版はその後印刷されて、送られてきます。ここで米国らしくて面白 いのは、とにかくその小切手帳のデザインが何十種類もあり、自分の趣 味に応じて選べます。(もちろん、凝ったデザインのものは発行手数料 も高くなりますが。−−−何と、小切手帳を持ち歩くカバーもデザイン にマッチしたものが用意されています。有料ですが。)
3.基本的に預金通帳のようなものはなく、ATMで現金をおろしたり、小
切手を使用した実績が記入されたリストが毎月送られてくるだけです。
ついでに言うと、米国のATMは1年24時間メンテナンスで止まる時
以外はフル稼働です。更に、あらゆるところのATMは殆ど自動車から
降りずにお金を引き出せる仕組みとなっています。さすが、合理的なク
ルマ社会です。(セキュリティ面の配慮もあるかと思いますが。)
ただ、1日当たりの引き出し限度額がその当時で300$と制限されて
おり、システムエンジニアの私から見て、日本のような完全なオンライ
ンではないと判断しています。(日本では、1回あたりの制限はあって
も、自分のお金はいくらでもATMでおろせますが、米国では300$
以上おろしたい場合には、窓口に行かなければなりませんでした。−−
もっとも、小切手やクレジットカードがあれば、現金はよっぽどのこと
が無い限り、そんなに必要ではありませんでしたが。)
ちょと留学生活から話が横道にそれましたが、とにかく米国で留学生活を 送るためには、学費、家賃等々諸々の支払い全てにこの小切手が必要です。 クレジットカードが使えなくても、小切手が使えないところはありません! 何しろ、スーパーで日用品を買う時でさえ、みんな小切手を使っているほど ですから。(しかし、小切手の弊害は手間がかかるということです。いちい ちサインをして、かつIDカードか何かで身分証明を照合するのですから、 スーパーでいちいちこんなことをやられていては時間がかかって仕方があり ません。−−−もっとも、品数の少ない人の為の流れが速いレーンも用意さ れていますが、基本的に米国人は待つのが苦にならないのでしょうかネ。)
SSN(または学生番号)入手、銀行口座開設での小切手入手ができれば
かなり自由に留学生活が送れます(口座にお金があれば...)。
あとは、
地域にもよりますが、自動車が次に必要なアイテムとなります。
第2話では、この辺を中心にお話しましょう。
− 以上 −